生きてればいいよ。

新卒で青年海外協力隊。任期満了後もベナンで家庭ごみ収集屋をしている若者の生きざま。

SDGsソーシャルビジネスコンテストへの初めての出場

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昨日、ビジネスコンテストのファイナルピッチコンテストがありました。

 

ビジネスコンテストに出るのは初めてで、ベナンの事業についてピッチする機会をもらえて光栄でした。私たちの受賞はなりませんでしたが、今回の参加を通し初めてのことを多く経験し、前進できたし刺激も受けたので、少しまとめようと思います。

 

もくじ

 

ソーシャルビジネスコンテストへの応募

私が今回参加しファイナリストに選んでいただいたのは、UNDPとシティ・ファウンデーション主催の「ソーシャル・イノベーション・チャレンジ日本大会2021」でした。若者の社会起業を支援する狙いのあるビジネスコンテストで、ビジネスアイディアのSDGsへの貢献が重視される点が特徴のひとつです。

 

昨年、知り合いの方が受賞していたのをきっかけにこのコンテストを知り、ベナンでの事業をより堅実に、かつより加速させて進めていきたかったため、受賞すると経営やマーケティングを学ぶ機会をいただけるこのコンテストに応募しました。

www.jp.undp.org

 

ファイナリストとして最終ピッチコンテストでピッチをする権利を頂く前に、書類審査と動画審査がありました。応募書類を書いている段階では、SDGsをあまり意識せずにこれまで事業に取り組んでいたため、関連するSDGsの目標・ターゲットの意味を改めて勉強し、また私たちが取り組んでいる課題について明快に説明する機会になりました。

動画審査では、私たちの事業を5分のピッチにまとめました。ビジネスモデルという形で初めて事業を整理しました。私が在籍する研究科の先輩にピッチを見てもらい、アピールする際の内容やスライドの改善点を多くいただきました。

 

ファイナルピッチへ向けて

ファイナルピッチへ向けさらに詰めていったのは、事業の成長計画(収支計画)と競合優位性でした。この段階でも、同じ研究科に在籍し、ビジネスコンテストの経験が多数ある先輩にピッチを見てもらい、アドバイスをもらいました。

 

現状の収入、支出(固定費と変動費)をもとに事業がどう成り立っているのか、何件の契約で損益分岐点に達するのか、計算しました。恥ずかしながら、初めてでした...

収集員、営業と会計の職員への給与もしっかり払いつつ利益を生み出すためには、230件の契約が必要だとわかりました。具体的に得た数字をもとに、ベナンの事業パートナーとも今後の事業の方向性や拡大について議論し、現在抱えている課題に対処しながら、2023年の黒字化を目指して件数を伸ばしていこうと話しました。

 

成長計画についてパートナーと意見を交わす中で、現在の収集契約の営業の仕方について改めて色々教えてもらい、初めて知ったことが多くありました。自分がリモートで関わっている、かつ実質的に給与を払っている立場なので、現場の情報へのアクセスが自分で思っている以上に限られていることを痛感しています。

現在の営業の仕方としてとても良いと思ったのは、顧客の日常の努力を後押しする形で私たちのサービスを進めている点でした。担当区内で事業を行う私たちにとって、競合は他の収集団体でなく野外投棄です。野外投棄と比べた時の魅力をアピールし、サービス利用者の理解を得てきたのでした。

 

ファイナルピッチ当日

ファイナルピッチの当日、私の他に8組の方々がビジネスアイディアをプレゼンしました。みなさんのアイディアはとても面白く、熱が伝わってくるプレゼンでした。特に印象に残っているのは、魚の皮を使ってものづくりをしているtototoさんと、目薬のボトルからサングラスを作っているeye for threeさんでした。

 

eye for threeの代表・長岡さんは特に、似たような思いをもって事業を行っているのだと知り、長岡さんが受賞してとても嬉しかったです。私の事業では現在ごみを集めるにとどまっていて、大学院での研究とあわせて、今後ごみの再資源化技術の導入をしたいと考えています。その際、長岡さんが現在行っているような、他の社会課題の解決につながるごみの有効活用がしたいのです。長岡さんの場合は目の健康のための手段としてごみ(廃プラスチック)を用いていますが、矢印としては私はその逆で、ごみを有効活用するためにその手段を探しています。

 

どう進めていこうかな。どんな組み合わせがアフリカで価値を持つだろうか。

受賞できずに悔しい気持ちはまず十二分にあり、それに次いで事業のさらなる発展を急ぎたい気持ちもありますが、素敵な事業に出会えてわくわくもします。

 

tototoさんのピッチは、魚が好きということがとても伝わってくるピッチで、かつ自然体で話していて、商品もおしゃれで、しかも地域おこし協力隊をしていたと聞いて、とても親近感が持てるアイディア・人柄でした。

www.tototoleather.com

 

コンテストを通した学びとピッチの反省

今回初めてビジネスコンテストに応募して、自分で経営の勉強をする機会になり、ベナンでの事業について、手と頭を使って数字で現状と未来を考える土台を作ることができました。これは私にとって、大きな前進でした。

 

ベナンでの事業へのプラクティカルな前進に加え、ビジネスとして事業をアピールする際のピッチの経験も得て、反省点もいくつかありました。

  • 思いが先行してしまい、事業自体のアピールが少なかった
  • 本質的な解決へのアイディアとしての深さが足りなかった

 

事業に取り組む情熱は、みんなあるのです。それは、ビジネスアイディアを詳細に話している他のファイナリストの皆さんのピッチを見ているだけで伝わってきました。用意はしていたもののピッチで言及しなかった競合優位性や、私たちの事業がもつアフリカでスケール可能なモデルとなりうる魅力を、事業にかける思いに代わってもっと話すべきでした。

 

また、ごみ収集という仕事自体は目の前の問題解決にとどまります。増えている人口に対して管理できていないごみは明日(なんなら今日)の課題であり、ごみの収集はとても重要な仕事です。ただ、もう一歩発展させた根本的解決にむけたアイディアがよりイノベーティブですし、それこそがスケールできるビジネスになると思います。

 

ビジネスでやるか、自治体やコミュニティの共助・公助としてやるか、より有効な方法でやりたいですが、50年後の未来において包括的な課題解決ができる仕組みをこれからも探り続け、その実現に向け、応援し仲間になってくれる人たちと実践し続けていこうと思います。

 

まとめ

ビジネスコンテストへの参加を通し、学び、仲間と議論し、ベナンでの事業が前進すると同時に、ごみにビジネスで取り組むことの意味を今一度考え、さらには応援したい人たちが増えました。

素晴らしい機会を作ってくださった主催者の方々、ピッチに向け協力・応援してくださった方々、ありがとうございました。