生きてればいいよ。

新卒で青年海外協力隊。任期満了後もベナンで家庭ごみ収集屋をしている若者の生きざま。

夢が膨らむポジティブな思考法は最強という話

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私は現在修士課程の1年目で、普段2人の教員の方に研究の相談にのってもらっています。

 

今回は、その2人に共通する「思考をポジティブに膨らませるスキル」について、感じていることを言語化することを目的に書きます。

 

夢が膨らむポジティブな語り

整理するデータや読みたい文献が山積しているので、日ごろは一人でそうしたことに時間を費やすことが多いのですが、進捗共有のために教員の方々に時々話に行きます。また、私には「これをやる意味は?」と考える癖がある上、意義や目的が腑に落ちないままではあまり前に進めない性なため、すぐにもやもやを抱えがちです。

 

そういうわけで、教員の方々と面談をするタイミングでも私はだいたい何かに対してもやもやしているのですが、話し終わった後は少し心が軽くなることが多いです。そしてそれは、教員の方々によるポジティブな語りの効果だと思っています。

 

研究をする意義について研究者に聞いてみた

私の経験に基づく具体的な例を提示します。

 

現在行っている調査のひとつに、8月から進めているごみ組成調査があります。この調査は、西アフリカのベナンのジュグー市というところの家庭ごみの中身を品目ごとに分類して、最終処分量と資源化可能量の推計を可能にすることを目的として始めました。

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ベナンの仲間とのビデオ通話

最終処分量の推計は、ごみ処理システムを整備する際に処分場のキャパを考えたりごみの運搬にかかる物品や人の必要数の計算には不可欠なデータですし、資源化可能量が分かればリサイクルマーケットも併せて調査することで、現在活用されていない廃棄物の経済的価値の計算が可能となります。理想的な物質循環という観点でも、そして経済的価値をみすみす捨てているという観点でも、これにより廃棄物管理システムの整備への機運が高まることが期待できます。

 

こういうロジックを一旦組み立てて臨んだごみ組成調査でしたが、

  • 行政にも財源や人材の観点から課題があり、排出されるごみに関するデータがわかってからも課題が山積している
  • 行政抜きに資源化を促進するにしても、既存のリサイクルマーケットに乗せるだけでは回収できる総額には限界がありそう

こうした観点から、少し自分自身でも調査の意義について疑問を抱き始めていました。

 

もちろん資源化に関しては既存のマーケットに乗せるだけでなく、私自身が今あるリサイクル技術に関しより知識をつけることで別の可能性を見出すことはできると思います。それは勉強あるのみです。

 

ただ、こうした考えを踏まえ、研究がどのように現実の社会とつながっているのかがあまり見えないなあと感じていました。これまでの、経口感染症に関する学校での講習、現場でのごみ収集員、ごみ収集会社の営業としての経験、加えて自治体職員や環境コンサルの方々から聞いた話の中で、あまり「研究(者/所)」というアクターは見えなかったからというのは大きいです。

 

これまでのベナンでの活動がそうだったように、正確に調べ尽くさなくたってアクションは起こせるではないか、とも思ったのです。

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私たちはベナンでごみ収集をしています

先日、こんなもやもやを教員の方を前に言葉にしたら、これに対する自身の考えを丁寧に教えてくれました。私の印象に残っているのは、以下の言葉でした。

 

研究者は、50年後くらいの未来での理想の姿を目指して研究を積み上げていく。

 

自分の関心や問題意識を出発点として、関連する事象の事実を明らかにしていく。でもそこにあるのは自分の知的好奇心の追求だけではなくて、自分が理想だと思う社会の実現に貢献したいという思い。「そうなると、社会起業家と研究者って何が違うんだろうね」と教員の方は笑っていました。

 

私はいつも目先ばかりの人間なので、私に圧倒的に欠けているのは未来のビジョンをもつことだと再度思うと同時に、「あぁなんて夢があるんだ」と感銘を受けたわけです

 

簡単なことはすぐにできる、なんなら明日できるかもしれないけど、社会をくすぶらせる課題の解決は簡単ではありません。一日や二日ではできなくて、それには時間と多くの人の力が必要です。長い目で見て忍耐と情熱を必要とする点で、私がこれまで抱いて来た思いを実現したいという過程と大きくは変わらないんじゃないかと思います。

 

ポジティブな思考は自分を鼓舞する重要なスキル

これは一例にすぎませんが、こうして考えに詰まっているとき教員の方々に話に行くと、10倍くらい夢を膨らませて返してくれることが多いです。そのたびに、気持ちが少し軽くなって、加えて少しわくわくも追加されて机に向かい直します。

 

自分の疑問に自分でこんな風に答えられれば最強なわけです。それは、自分で自分の機嫌を取りどんどん前へ進める状態です。

 

これについて前述の例の方は、こういう思考にもトレーニングや経験が要るという趣旨のことを言っていました。つまりこれは確たるスキルなんだと思います。ただ楽観的でいることとの大きな違いは、ポジティブな意味を加えに自ら動いている点と、ロジックをともない説得力がある点です。

 

こうした点を意識しながら、考えることを続け、自分にももっと向き合っていこうと思います。