生きてればいいよ!

新卒で青年海外協力隊に参加。帰国後3ヶ月でまたベナンに戻って活動を続けている、そんな若者の生きざま。

新型コロナにより全世界のJICA海外協力隊が帰国。なぜ?懸念事項は?

 

新型コロナウイルスがアフリカで急速に広がっていることから、JICA海外協力隊全員の一時帰国が決定しました。

 

各国でのクーデターや治安の悪化等により特定の国の隊員の緊急帰国はこれまでにも何度もありましたが、派遣中の隊員全員に一時帰国の措置をとることは前例がなかったようです…

 

今回は、JICAが全隊員を一時帰国する措置をとった概要とその理由、そして今回の決定に対する私の考えを書きます。

 

全世界のJICA海外協力隊員、日本への一時帰国が決定

中国、武漢から始まり現在は世界のすべての大陸で広まっている新型コロナウイルス。私が2019年7月まで参加した、JICA海外協力隊の制度で派遣されているすべての人々がこれから日本に帰国します。

 

 

こちらの記事によると現在は全世界71か国におよそ1,800人が派遣されており、彼らは学校や病院、NGO、国連組織など様々な機関に配属され活動しています。「全世界の全隊員一時帰国」とは、協力隊事業が始まった1965年以来、実に50年以上の歴史の中での初めての例とのことです。

 

JICAが全隊員を一時帰国させる理由は?

実はJICAの決定に先立ち、3月16日にアメリカのボランティアプログラムPeace Corpsも全世界に派遣されているすべてのボランティアをアメリカに帰国させることにしました

 

平和部隊(へいわぶたい、英語: Peace Corps)は、アメリカ合衆国連邦政府が運営するボランティア計画。ボランティアスタッフを開発途上国へと派遣し、現地の支援を行うことを目的とする。日本の青年海外協力隊の米国版である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/平和部隊より引用)

 

Peace corpsでは61か国に7,000人以上が現在派遣されているらしく、JICA海外協力隊よりもかなり規模の大きな事業となっています。実際に私が住むベナンでの人数を見ても、JICA海外協力隊は約50人、Peace corpsのボランティアは約150人だそうです。もともとJICA海外協力隊事業はPeace corpsに倣ったものでした。今回の判断の正当な理由はもちろんJICAにもありますが、Peace corpsの決定も大きな影響を及ぼしたであろうことは想像できます。(Peace corpsの決定の二日後にJICAも決断を下した)

 

ある現役JICA隊員の情報によれば、今回の「ボランティア全員一時帰国」の決定に至った理由として、以下のようなものを知らされたようです。

  • もしもの傷病時に緊急移送手段を確保できなくなることへの恐れ
  • 途上国での脆弱な医療体制がさらに不安定になることへの恐れ
  • アジア人への人種差別の悪化
  • パニックやストレス、経済悪化による治安の悪化

どれも考えられる事態ですね。

 

ちなみに先述のPeace corpsの公式な声明では、新型コロナウイルスへの対応で国境封鎖が相次ぐ中、ボランティアが派遣国に閉じ込められる事態を懸念したうえでの判断だったことが述べられています。また、Peace corps史上初めての対応だ、とも。

 

エジプトなど中東諸国での空港の封鎖、またドイツ、フランス、スイスなどこれまでシェンゲン協定により移動が自由だったEU内での国境封鎖、インドの全ビザ発給停止など、全世界で移動に制限がかかっています。カナダやデンマークでも国境封鎖が決定し、海外にいる自国民に帰還を呼びかけています。そのような状況の中、医療体制がきちんと整っていない国に滞在し続けることは大きなリスクとなります

 

全JICAボランティアの一時帰国に対する私の考え

JICAやPeace Corpsの懸念は正しく、全ボランティアを帰国させる判断は妥当かと思います。全員一時帰国には賛成です

 

ツイッター上では一時帰国が決まった世界中の隊員が途方にくれたり、無念に感じたりする様子が垣間見え、逆に個人ではどうしようもないこの状況に対して日本滞在をポジティブに活用するよう考えている隊員もいるようです。たしかに駄々をこねたところで一時帰国は決定事項なのでどうしようもありませんが、もやもやするならそれを無視せず、自分の感情に正直に、日本でゆっくり過ごすのもアリかな、と。個人の選択なので私がとやかく言うことではありませんが。

 

また私自身は日本に帰国する予定はありませんでしたが、JICAが懸念している事項はまさしく現実に起こりうることで、ベナンで新型コロナウイルスに感染することへの恐怖(現在保険には入らず滞在しています)、そして特に、治安が悪化すると外国人かつアジア人である私が標的にされやすいことは恐ろしいです。

 

もはやベナンもいつ空路を断つかわからず、日本に非難するなら早く決めなければ突然帰れなくなる、なんてことも考えられるわけで。ただ、いま日本に帰ったら時期的にもうベナンにこうして戻ってきて長期滞在をして活動することが難しくなるかもしれず… ひとまずはベナンや周辺国で新型コロナウイルスがどう広がっていっているか、情報収集に努めます。

 

追記(2020年3月24日) 

私の活動地には、JICA協力隊2名、Peace corps 1名、フランス人ボランティアが6~7名いました。その他、私のようにどこかからの派遣ではなく個人で住み着いている外国人が10人以上います。

 

税金により派遣されている協力隊、Peace corp、フランスボランティアらは3月20日前後に帰国し、それを聞いた現地の人々の間では不安の声がありました。

「外国人がいなくなってしまうなんて、よっぽどの事態なんだ…」

「これはもう世界の終わりだ…」

 

 

「あいつら(外国人)は何か問題が起こるとすぐ帰る!」などと言う人にはいまだ出会っておらず、その心配をするのは帰国するか否かを迷う外国人の取り越し苦労でしょう。ただ単に、現地の人たちは口では「外国人がなんとかしてくれる」と言うこともありますが、本心ではたいして期待していないだけかもしれませんが

 

関連記事

www.ricahirao.work