生きてればいいよ!

新卒で青年海外協力隊に参加。帰国後3ヶ月でまたベナンに戻って活動を続けている、そんな若者の生きざま。

ベナンに来て約4か月、亀の歩みでベナンでのNGOの登記完了!


西アフリカのベナンからこんにちは。

 

JICA海外協力隊の任期が終わった後も引き続きベナンで私が何をしているかというと、一緒に活動した若者たちが今後も継続して活躍できる基盤づくりをしています。2019年10月にベナンに戻ってきて、2020年1月末近く、やっとつい先日県庁に登記の書類を受理してもらえました

 

今回の記事は、普段応援してくださる方々へ現状を報告するために書いています。

 

もくじ

 

ベナンでのNGO登記までの流れ

以前の記事でも何度か触れていますが、ベナンでNGOを立ち上げるには国による団体登録が必要です。登記のステップ自体は、以下のふたつのみ。ふたつだって?簡単そうですね。

  • 活動拠点を置く市が属する県庁に書類を提出
  • 県庁での審査を終えると内務省にてNGO名簿に載せてもらう

 

ただもちろん「書類」と一言で書いても手紙一枚持っていけばいいわけではなく、NGOの定款や設立のための総会の議事録なども必要です。こうした書類を10月から(もっと正確に言えば私がまだ日本にいた8月、9月あたりから)ちまちまと準備していました。私のフランス語は普段の会話にはそこまで困らなくても書類作成に使えないレベルでしかなく、他のメンバーがたくさん働いてくれました。

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メンバーと。右の写真の彼が事務局長


私がそもそもベナンに戻ってきたきっかけを作った青年はPC作業などには慣れておらず、事務作業の経験もあまりありません。私もフランス語での書類作業は得意ではない。そこで大きく活躍してくれたのは、私たちのNGOの事務局長になってくれた青年でした。

 

県庁とのたたかい、そして勝利

書類を一通りそろえて、県庁に初めて持って行ったのが2019年12月中旬のことでした。県庁の担当者の方はすぐに書類を受け取り、「すぐに見て明日中にはフィードバックできるようにしますね」とのこと。ところがその翌日以降、2週間たっても「忙しくて見れていない」と言われ続け、進展はありませんでした。

 

その間、市役所の廃棄物管理を担当する課長を通して県庁に圧力をかけてもらったり、コトヌーにいる友人の友人の人脈を借りて県庁にアプローチをかけたり、あの手この手を試しました。「忙しいから」と言われて後回しにされ続けるのは、優先順位が低い案件だと思われているからです。権力のある例えば県知事や管理職に「この書類に早く対応するように」との一声さえかけてもらえば、状況は簡単に動くはずだと思いました。

 

結果、コトヌーの友人の友人の人脈で知り合ったある方の力添えのおかげもあり、県庁に書類を持って行ってから3週間たって「フィードバックしたいので明日県庁に来てください」との連絡をもらうことができました

 

フィードバックではたくさんの修正点や要再考事項を指摘され、さらに1週間かかってそれらを修正、そして2度目の提出でも再度いくつか追加で指摘され、最終的には3度目の提出でようやっと受理されました。勝つまで臨んだたたかいに、ようやく勝利しました。

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書類の受領証明書と一緒に記念写真

3度目の正直。1回目の提出が12月中旬、2回目の提出が1月下旬、3回目が1月末でした。

 

修正点を指摘されるたびに、私たちの団体のNGOの事務局長に仕事を頼まなければなりませんでしたが、彼も彼で日中の仕事が忙しく、なかなか手を付けることができない状態でした。個々人のメンバーの能力やPCを持っているかどうかなどが大きな制約となり、亀のような速度でしか進めることができませんでした。

 

これから本格的に活動を始めるにあたって資金を出すのは主に私ですが、私にも資金力はたいしてありません。資金力の大切さを痛感している次第です。ゆえに、メンバー全員に給料を払って毎日拘束することはできません。だから、個々人が個々人の生活を生きながら、できる範囲で時間やお金を割き、進んでいくしかないと思っています。

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みなそれぞれ生活がある


活動も収益も大きくなり、主要メンバーだけでもこの団体の事業で食っていけるようにできればもっとスピードアップができそうですが、それはまだ数年後の話でしょう。それまで折れずつぶれず耐え忍び、ゆっくりでも確実に進んでいくのみです。

 

これからの活動

さて、内務省での審査も待っていますが、県庁で書類が受理された時点ですでに団体は公式に存在を認められたということです。国内NGOリストへの記載を待たずに我々は活動を始めます。日本にいる親友の多大なる協力のもと、これからしていく初期投資のためのお金もベナンに着いたところです。これからの私たちの活動の流れとして、

 

  1. 市役所と古株NGOとの協議により市内の家庭ゴミ収集の区分わけを進める
  2. 私たちに割り当てられる地区にて、ゴミ収集契約をしない住民の心理を探る調査を実施
  3. 調査結果をもとに現在ある収集システムのアイディアをさらに精査
  4. 家庭を巡回し住民に契約してもらう
  5. ゴミ収集スタート

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私たちがやろうとしていることの紹介スライドの一ページ


これらの大まかな流れの裏には肝心のゴミ収集車を買ったり、ゴミ収集員を選定して雇用したり、地域に公共のゴミ箱を設置するなどのステップもあります。実際に収集を始められるまで、まだ数か月かかります。

 

2020年1月中旬あたりから1つ目の段階「市内の家庭ゴミ収集区分わけ」に取り組んではいるのですが、こちらもまた古株NGOがなかなか話を進めたがらずに時間がかかっています。誰かを巻き込んでする活動って、もはやベナンでは計画立てても無駄なんじゃないかと思えるくらいです。

 

ただこの区分わけが進むことは私たちの活動開始に必要なステップであるだけでなく、古株NGO自身もより効率的にゴミ収集を行うことができるようになるのを助ける意義のあるものだと思っています。現状は住みわけがなされておらず、ふたつのNGOが混ざり合っている状態。より移動距離を減らし、同時に収集件数を増やすためには、地区わけが必須です。この作業自体大きな意味のある取り組みなので、実務開始を焦らず、丁寧にたたかっていきます。

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三輪車が各家庭を回りゴミを集める現行のシステム


ちなみにジュグーですでに10年ほど家庭ゴミ収集を行っているNGOはふたつありますが、彼らの心理として、自分たちの財政面を支えるマーケットを私たちに奪われるのがイヤなのだと推理しています。建前では「街をきれいにするため!」と言っていても、裏では同じ志を持つ仲間が加わることを喜ばないとは、ちょっと悲しくなります。マーケットを奪うつもりはないのに。

 

まとめ

これまでの書類作成とのたたかいから、県庁とのたたかい、そして今後迎え撃つたたかいについてご紹介しました。

 

ジュグーの人々から「あんたたちまだ活動始まってないの!?」と言われることが多く、時間がかかりすぎていることに後ろめたささえ湧いてきそうです。ですが、すべては必要な時間。簡単に立ちあげられる事業は、簡単に捨てることもできるでしょう。亀の歩みながらも、長く長く、より強く、現場で活躍できる団体でありたいと思います。