何のために語学の勉強をするか?
海外で生活してみたいから、自由に旅行に行きたいから、海外で仕事がしたいから…。理由はいろいろあると思いますが、海外で仕事をしたくて語学の勉強をしているのなら、語学は必須です。
私自身もベナンで働いて2年以上が経っていますが、先日語学力のなさを突き付けられる出来事がありました。今回は、その出来事から実感した「海外での仕事に語学は必須」という考えについて書きます。
もくじ
市役所の会議に出席するも撃沈
先日ある会議に出席して、私のフランス語力のなさを痛感しました。
現在私は西アフリカのベナンで、家庭ゴミ収集を担うローカルNGOを立ち上げる準備をしています(ベナンに来てからかれこれ2か月弱、ずっと準備段階…)。すでに家庭ゴミ収集を行っているNGOは2つあり、先日の会議はその2つのNGO、市役所、衛生コンサルタントによる、今後の活動計画に関する会議でした。
その会議に呼ばれていたわけではありませんでしたが、これから私も入っていく分野だしと思って出席したのはよかったものの… 会議の内容がほぼわからない。その会議は、市役所とNGOに対して衛生コンサルタントがこれからの指針の提案をするために設けられたようでした。衛生コンサルタントが今後市の廃棄物管理にコミットしていってもよいか、そんな会議。
コンサルタントが市役所に交渉をしているというおおまかな概要は分かったのですが、わからない単語が多すぎました。細かい内容がさっぱりわかりませんでした。
会議の最後に質疑応答や意見を述べる時間があって、衛生コンサルタントの方からも「どうでしたか?」と聞かれましたが、何を話しているのかがわからないんだから質問も意見もありませんでした。
日頃の生活には困らないフランス語力、でも…
私は2年間JICA海外協力隊としてベナン北部のジュグー市役所に派遣されていて、主に市内の小学校で活動していました。
2年間、そしてJICA協力隊の任期を終えて以降ベナンに戻ってきてからも、ベナンで暮らしていくうえでのフランス語には困っていません。小学校で活動していた時や、私が提案して物事を進めるときなども基本的に私が主体となっていたので、フランス語でのコミュニケーションには困っていませんでした。そのため、
「私、フランス語けっこう話せるじゃん」
と余裕ぶっていました。フランスに1週間ほど滞在した時も、フランス人とフランス語で会話できたことが自信にもなり、思い上がりにつながっていました。
ですが今回参加した会議で、
- まだまだ知らない単語だらけということ
- 周囲が白熱して話すスピードが速くなったらそのテンポについていけないこと
海外での仕事なら語学は必須
内容が分からないと意見も言えない
今回の経験から改めて思ったのは、会議の内容がわからないと参加のしようもないこと。
多少知らない語彙が多用されていても、少人数での会話でなら、聞き返したり意味を尋ねたりしても問題ないでしょう。ですが、20~30人いる会議でそれはご法度。「今何て言いました?」なんて口をはさみまくっていたら、煩わしいやつ扱いされるだけです。
私のフランス語力がまだまだということを知らしめてくれた今回の会議では参加者は10人強でしたが、それでも市役所のお偉いさんもいて緊張感があったので、単語や発言の意味を聞き返すのは気がひけました。
議論のペースについていけない
単語が分からないと置いていかれるのはもちろんですが、議論が白熱して話すペースが速くなった時、そのテンポに合わせて話せないと場の流れを狂わせます。
周りが真剣に議論している中でカタコトでたどたどしく発言されても、フランス語での表現力がないやつは口をはさむなくらいの勢いで封じ込められます。こちらの語学力が大したことがないとわかるや否や、たいてい言葉に圧をかけてきます。まくしたてられるとそれに対抗できるだけ話せないので、一方的に丸め込められます。
日本で仕事をしている人は、日本人数人の会議に日本語がたどたどしい外国人が参加していることを想像してみてください。ほら、言っていることわかりますよね。
結果、相手にされなくなる
会議の内容が正確にわからなくて意見が言えない、あるいは言えたとしても会議のテンポを崩す程度の語学力であった場合、相手にされなくなります。
語学ができない人は、相手にされません。ふだんの生活だけならたどたどしい語学力でも問題ありませんが、本気で仕事をしている人には相手にされないと考えて間違いないでしょう。
まとめ
フランス語力に思い上がりのあった私の自信をぶち壊した出来事を紹介し、語学ができないことでいかに仕事にならないかを述べてみました。
海外で働きたければ、仕事で使う言語を本気で勉強すること、それだけです。私も精進します。