発展途上国では、予定通りにいかない。
海外での仕事に興味がある人は、こんな言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。私は現在西アフリカのベナンでNGOの立ち上げ準備をしていますが、最近もそんな状況にぶちあたったところです。
今回は、現在の準備の進捗報告がてら、ベナンでの予定通りにいかない仕事の様子を少しご紹介します。
もくじ
NGO登記に必要な書類をそろえる日々
私は2019年10月4日にベナンに到着して以降、仲間たちとともにNGO登記の準備に取り組んでいます。
NGOの事務局長が仲間に加わった話
NGOの会計係が仲間に加わった話
戻ってきてから早1ヵ月が経ちましたが、いまだに登記のための書類を県庁に出せていません。
- 相方の個人的な事情により彼がNGO登記準備に取り掛かる余裕がなかったこと
- 納得して事務局長、会計係を選定するためにある程度の時間をとったこと
などが大きな理由です。いずれも無理して削るべき時間ではなかったと思っているので、これに関しては仕方がありません。
ようやく、登記に必要な最低限のメンバー(代表、事務局長、会計)が揃ったのが先週のこと。登記するNGOの内部規約も出来上がっており、あとは第一回総会を実施して、出席者名簿と総会の記録をそろえるだけと言うところまで来ました。
県庁に必要書類を出してから登記まで、最低で1ヵ月はかかると言われています。年内の団体登記を目指していたので、ここまでは予定通りに進んでいました。
あとは、総会の記録だけ
さて、あとは第一回総会を実施して、総会の出席者名簿と総会の記録をそろえるだけ。実は今この記事を書いている今日、2019年11月9日(土)に第一回総会を予定していたのですが… 私が活動している、ベナン北部のジュグーという町で、王族主催による年に一度のお祭りがちょうどこの週末にかぶってしまいました。
第一回総会には、副市長や市役所の課長なども招待しようと思っていたのですが、彼らは来賓としてお祭りに招待されているので、このまま総会を強行開催したところで彼らが出席してくれないであろうことは明らかでした。
ぜひとも市役所関係者、特に今後の行政とのつながりを考えて副市長には出席してほしかったため、私たちの総会を延期することにしました。
相方が別の仕事をゲットし、総会は後ろ倒しに…
市役所関係者を呼んでいることからも総会を平日に開催するのは避けたく、次の週末、16日(土)に延期しようという案があり、それが濃厚なように見えました。総会をあまり先延ばしにして、団体の登記がどんどん遅れるのは避けたかった。
ところがここで、相方が
「本当に申し訳ないのだけど、ちょっとした仕事が見つかって2週間ブルキナファソに行くことになったんだ…」
…
あらま。
彼は私たちが登録しようとしているNGOのためだけに生きているわけではないし、仕事が見つかってまとまったお金が手に入るのなら彼の生活の支えになるだろうし、いい経験にもなるだろうし…
そんなことを自分に言い聞かせるのですが、総会が早くて2週間後、11月下旬になるということが私を少しがっかりさせたのは事実でした。年内の団体登録を目指していましたが、総会が11月下旬となるとそれもほぼ無理な気がします。
私の相方ダウダの生活や収入が安定していないからこそ、目の前にぶら下がるチャンスにいつでも飛びつくのは当然です。今日、「〇〇をしよう」と言っていても明日には「別のチャンスがあったからそっちに行く」と言われることは十分に可能性としてあるわけです。
彼の生活を支えなければ彼がNGOに集中するのは難しいことが明らかだったので、毎月ある程度のお金を渡しているのですが、それでも足りないようでした。額を増やすべきなのか、このままのペースで細く長く活動していくのか。考えなければなりません。
「途上国では予定通りにいかない」と言われるゆえんは天候や遅刻など色々ありますが、安定した職がないからこそ現地の人が身の置き場を移しやすいゆえに、予定が狂うということを今回の件で実感したのでした。
まとめ
「途上国での仕事は予定通りにはいかない」と言われますが、その通りです。スケジュールに余裕をもっておくことはもちろん、どうしようもない外部要因による予定変更なら潔く「私にはどうにもできない」とあきらめる力が必要です。
予定が狂っても、焦らず、やるべきことをこなしていくだけです。まあ、予想していたことですもんね(強がり)。
追記
今回の記事で触れたダウダのブルキナ行きのみならず、彼が家族の頼みでナイジェリアに1週間行かなくてはならなくなったことも2019年12月にありました。また、彼だけではなく予定外の旅行は私も同様。ビザの更新のためだけに1週間以上も最大都市コトヌーに居続ける羽目にもなりました。
先の見えないビザ更新に、コトヌーではメンタルボロボロ。
先が読めないのが途上国なんですね。