生きてればいいよ!

新卒で青年海外協力隊に参加。帰国後3ヶ月でまたベナンに戻って活動を続けている、そんな若者の生きざま。

経験から思う、モノを援助をする前に理解しておくべきこと


「モノをあげるだけの支援」が批判されることがあります。

 

あげたモノが意図したとおりにきちんと使われているかや、モノの管理方法をフォローしなければ、問題解決に有効だったかわかりませんね。私も数か月前にある人にモノをあげたのですが、最近その使い道を知り悲しくなりました。

 

今回は、その出来事から考えた、2つの「モノを援助する前に理解しておくべきこと」について書きます。

 

もくじ

 

モノの援助がうまく機能していない例

ウサギの養殖場

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ある隊員の活動地中心部

とある協力隊員の活動地に行った時に見た、ウサギの養殖場。障害者グループの所得向上のために欧米の援助機関が建設したものでした。

 

ところが隊員によると、彼がベナンに来た時にその施設は機能していなかったそうです。何かを始めるときに遅かれ早かれ必要になる箱モノがすでにあったというのに。というのも、「建設のためにお金を出した機関が、あるとき突然援助を断ち切ったから」と言っていました。施設の建設という一番大きな初期投資は済んでいるのですが、外部者によるスケジュール管理や活動のフォローなどがなければモチベーションが保たなかったのでしょうか。

 

いずれにせよ、援助として建設したはずのウサギの養殖場は、まったく活かされずに放置されていました

 

学校のトイレ

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小学校のトイレは閉まったまま

外国からのモノの支援に限らず、政府が公立小学校に建設したトイレも有効に利用されていない場合がよくあります

 

トイレの扉の鍵は常に閉まっていて、校長先生が持っています。「トイレを利用したければ児童が校長にカギをもらえばいい」と教員たちは言いますが、そんなに頻繁に校長にカギを頼んでくる児童を見たことがありません。児童たちは、校庭の隅や校舎の裏で排せつをしています

 

校長の言い分としては、トイレの扉を解放していると近隣住民も利用し、彼らがトイレを汚していくからと言います。学校内部の人間でもないのに住民にトイレを汚されたくないのは理解できますが、そのためにトイレがあるのに使わず、児童たちに野外排泄をさせているのはとても違和感のある光景です。

 

お世話になっている女性にガスをあげた話

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炭での調理風景

私は2019年7月にJICA海外協力隊の任期を終えました。その際、ベナンで使っていたものをお世話になっている人たちにあげて、日本に帰国しました。

 

ベナンの一般家庭では調理に炭を使用します。ガスも売っていますが、炭の方が圧倒的に安いことや、炭での調理に慣れているためです。私はガスを使っていたので、ガスも誰かにあげようと思っていました。ガスが必要な誰かに、です

 

ガスなら、炭での調理より時間短縮がかなり期待できます。近所に住んでいたお母さんにほしいか聞いたところ「ほしい」と即答。大喜びでした。一度、「ごめんやっぱり他の人にあげるかも」と伝えたところ激しく反対されたのもあり、活用してくれるものだと思っていたし、彼女にあげました

 

7月に任期を終え帰国、その3か月後の10月に再びベナンに戻ってきました。ガスをあげたお母さんのもとを訪ねると、ガスは物置に置かれ、明らかに使っていない様子。「使ってる?」と聞いたところ、「使ってるよ」とのこと。続けて、「でも、必要なら貸すこともできるよ」と言われました。

 

「使ってる」と本人は言うし、疑うのも失礼だと思ったので、それ以上は聞きませんでしたが、もやもやが残りました。

 

「あなたが使っていないそれが必要な人もいるはずなんだ!!」
言えばよかった。

 

モノを援助する前に理解しておくべきこと

一度手に入れたモノへの執着

人間の性として、一度手に入れたモノを手放すことには抵抗が生じます

 

上のガスの例では、「あげる」と言ったあと「あげられないかも」と伝えたら猛反対されました。たとえその人にそれが必要でなくても、たとえ使わなくても、持っていて損が生じるわけでないなら、一度手に入れたモノを簡単には手放さそうとしないのが自然なことなのか、と知りました。

 

だからこそ、モノをあげる前に本当にその人にあげるべきものなのかを考える必要があります。あげたものは、返ってきませんから。

 

タダならもらう

無料なら、別に要らないけどとりあえずもらっておく、というのもよくあるパターンでしょう。

 

お金を払って何かを手に入れるなら、お金を払うだけの価値があるのか考えますよね。ところが「あげる」と言われたら、自分に損失が生じないならもらっておこうと思うでしょう。誰にでも身に覚えがあると思います。

 

まとめ

タダならもらう、そしてもらったものは手放したくない。

 

ただの個々人のプレゼントならたいした問題はないかと思いますが、現状に良い影響をもたらすためにモノをあげるなら、心得ておかなければなりません。