生きてればいいよ。

新卒で青年海外協力隊。任期満了後もベナンで家庭ごみ収集屋をしている若者の生きざま。

「郷に入れば郷に従え」だろうか?外国人として異国に暮らして思ったこと。

 

郷に入れば郷に従え。

 

違うコミュニティでは、そこのやり方に合わせるべきだという考え方です。たしかに新参者を受け入れる側としては、自分たちのやり方に倣ってくれるのなら親近感を持てますよね。ですが、私は必ずしも「郷に入れば郷に従え」が正解ではないと思います

 

今回の記事では、最近知ったカナダのある出来事と、私自身のベナンでの経験から、私が「郷に入れば郷に従え」ではないと思う理由について書きます。

 

ツイッター上で話題になっているカナダでの出来事

最近ツイッター上で話題になっているのは、カナダの薬局で起こったある出来事を撮影した動画です。

店員同士で中国語を話していたところ、お客さんが「ここはカナダなんだから英語を話せ。失礼だ」と怒り出しました。この動画に対して、「人種差別的だ」といった反発のコメントもありましたが、この動画の女性の態度を見て私が共感したのは、「外国人として異国に生きることの大変さ」でした。

 

外国人として異国で暮らした経験から

大学を卒業してから私は、JICA海外協力隊として2年間西アフリカのベナンに滞在していました。ベナンでの生活は、「外国人」「マイノリティ」として生きることの大変さを痛いほど教えてくれました。それを教えてくれたのは、現地の一部の人たちによる「郷に入れば郷に従え」の考え方でした

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JICA海外協力隊として2年暮らしたベナン

 

新しい環境で生きることはそれだけで私には大変でしたが、以下のようなことを真面目に受け止めてはストレスに感じていました。

  • フランス語(ベナンの公用語)で挨拶すると「現地語を話して」と言われる
  • 洋服を着ていると「ベナンの現地の服を着て」と言われる
  • スプーンやフォークで食事していると「俺たちのように手で食べて」と言われ
  • ミネラルウォーターを持っていると「水道水を飲んで」と言われる

 

初めの頃は、こうした言葉に私も応えようとし、道で会う人々への挨拶はフランス語で「してはいけない」と自分で思い込み、現地語を話すのに疲れて家から出るのがおっくうになった時期もありました

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ベナンの家の近所

これらの言葉は、ベナンの人たちが外国人である私にも現地のやり方をしてほしいと思い、かけてくれた言葉でした。例えば外国人が日本語を話していると私たちも嬉しいし、親近感を持つと思います。しかし、たとえ外国人が日本語を話していなくても、落胆するとか悲しいとは感じません。たいしたことではない。

 

「ベナンにいるからベナンのやり方でやってほしい」という意見に対し、本気になる必要はなかったんだと今は思います。「郷に入れば郷に従え」を実践しに来たのであればそれもまたその人の意志ですが、人はそれぞれ、自分の好きなありかたで生きてよいと私は思います

 

手で食べるかスプーンを使うか程度であれば大した問題にはなりませんが、この要望が政治や宗教に及ぶと、多くの人の気分を害することになるのは事実です。

 

まとめ

「郷に入れば郷に従え」に対する私の考えを書きました。「郷に入れば郷に従え」を誰かに要求するのは、私はよいと思いません。外から来た人ががコミュニティの考え方を理解することだけではなく、コミュニティ側もその人を理解する努力をすることが重要です。

 

私自身の日頃の言動を振り返り、無意識に誰かに要求していなかったか、思い出すこともできないのがさらに怖いことです。いかに普段気に留めていないか。自戒を込めて、この記事を書きました。