こんにちは。
これから家庭ゴミ収集事業をベナンで始めようと、一週間ほど前からベナンに来ております。事業の初期投資として欠かせないのが、ゴミ収集車。車体もいろいろあり、一番のおすすめは中国メーカーのAPSONICという話も。
今回の記事では、先日現物を確認してきたゴミ収集車の情報や、検討する際に注意すべきポイントについて見聞きしたことを中心にお伝えします。
もくじ
ベナン、ジュグーでの家庭ゴミ収集
日本で「家庭ゴミ収集」と言うと、以下の写真のような光景を思い浮かべますね。
ベナンの、私の活動地ジュグーで「家庭ゴミ収集」と言うと、こんな風に行われています。
市役所がトラックを出してゴミ収集をするのは不定期で、私がやろうとしているのは週に1回のペースで契約家庭を訪れゴミを収集するという事業です。まさに、上の「NGOによる家庭ゴミ収集」の写真に写っているような三輪車を購入しようと考えています。以下で具体的に見ていきましょう。
どんな車体が候補?
先日、数店舗回って購入を検討している車体を実際に見てきました。地元の方々からの評判では、耐久性に優れているのは中国メーカーAPSONICの三輪車(他にも、KEWESEKIやPABLOなどのメーカーのものもあります)。
APSONIC150
現在家庭ゴミ収集を行っているNGOが使っているのは、APSONIC150というタイプです。
- 積載量は300kg。
- お値段は 75万fCFA(約13万5千円)。
写真ではわかりにくいのですが、こちらのタイプは荷台が小さく、一日の収集分を終えるのに、ゴミ集積所と住宅ゾーンを何往復もする必要があります。結果、朝7時から収集を始めて16時までぶっ通しでの収集(常に炎天下、力仕事!)となります。それではあまりにも収集員の身体に負担となります。
また、APSONIC150のタイプは牽引力もあまりなく、荷台にゴミを一杯に積んだらすぐに限界が来るため耐久性も期待できないとのことでした。
APSONIC175
お次は、APSONIC175。現在ゴミ収集事業を行っている団体は、今度このタイプを6台新調する予定だとか(EUのプロジェクトが進行中で、今は予算がある模様)。
- 積載量は300kg。
- お値段は90万fCFA(約16万2千円)。
積載量は300kgとAPSONIC150と同じ数字が書かれていましたが、荷台の容積も少し大きく、またAPSONIC150より牽引力も大きいようです。その分、お値段が少し高い。
現在のNGOが今度これを使うと言っているのですから、十分に事業を行うための最低ラインはAPSONIC175だと見るのが妥当ですね。
APSONIC200
そしてAPSONICの最後の車体はこちら、APSONIC200。
- 積載量600kg。
- お値段は120万fCFA(約21万6千円)。
荷台の容積、牽引力ともにAPSONIC175より大きく、その分さらにお値段も張ります。APSONIC200なら、見た目では過剰積載でもパワーの問題なく運べるだろうとのことでした。ただ、こうアドバイスをくれた方は実際にAPSONIC200でゴミ収集をしたことがないので、どこまで信じてよいかも見極める必要があります。
Diesel
そして最もおすすめされたのが、こちらのディーゼルと呼ばれる車体。
- 積載量2,500kg。
- お値段は260万fCFA(約46万9千円)。
上述のAPSONICがすべてバイクのエンジンでしたが、ディーゼルは車のモーターを搭載しているため、牽引力、積載量は比べ物になりません。荷台も十分大きく、軽トラ程度のイメージです。ただ、燃費は他の車体に比べよくないとのこと。
私がこれから一緒に事業を作って行こうとしている相方は、ディーゼルの場合、載せたごみを自動で一気に落とせることに強く魅力を感じているようでした。たしかにAPSONICだと収集員が手動でえっさほいさとゴミを落とす必要があって、それに10~20分はかかるんですよね。
「お金がないからB級品で良い」「現地のもので間に合わせなさい」ではなく、妥協せず良いものを使いたいのですが、APSONIC200と比べても値段が倍というのもあって、簡単には決断できないなぁというところです。大金を叩いて良いものを買っても、結局は消耗品というのが少し怖い。ディーゼルを使って人自身の声を未だ聞いたことがないので、これを買うならかなりの賭けです。
何に注目して車体を選ぶ?
数ある購入候補の車体。選ぶ時のポイントは何でしょう?
牽引力
ゴミを大量に積んだ状態できちんと走れること。そのためには、牽引力が必要です。この点に関しては、現在すでに家庭ゴミ収集を行っている団体の代表からアドバイスをもらいつつ車体選びを行っています。
積載量
そもそもゴミを十分に詰めるだけの容積があるか、という問題です。
ゴミ収集事業自体の収益で事業を回していくのに、最低でも50軒の家庭ゴミを収集する必要があります。 荷台が小さく例えば5軒分のゴミしか乗らないとなると、50軒終えるのに住宅ゾーンとゴミ集積場の間で10往復しなければなりません。
往復する回数が増えるほど必要なガソリンも増えますし、費用もかさみます。また、時間が余計にかかるため収集員の拘束時間が増え、負担も大きくなります。
お値段
上記の牽引力、十分な積載量を兼ね備えた車体は、良いものであるためもちろんお値段も張ります。高いものほど良いものという保証はありませんが、きちんと性能を見て、払うコストに見合った働きをできる車体を購入したいものです。
まとめ
- 地元の人のおすすめは中国メーカーAPSONIC製品。
- APSONICの中でなら牽引力、積載量が最も大きいAPSONIC200が有力候補。
- 相方がほしいのは、さらに積載量が大きく作業効率の良いディーゼル。
先日の現物視察をもとに、ゴミ収集車選びに関する現状をまとめました。悩んでいるのは、APSONIC200かディーゼルか。耐久性や使い勝手の良さは正直使ってみないとわからないところで、APSONIC200を買うのが無難かと思いますが、性能や作業効率の良さをケチるのも気が引けて… という感じ。
購入する車体をどれにするか、決め次第またご報告します。
*補足ですが、polcaにて皆様にご支援を募り、目標金額10万円に達しました!応援いただいた皆様、ありがとうございます。polcaで頂いたお金は全額、ゴミ収集車購入に使います。