ベネチアといえばイタリアの人気都市で、またの名を「水の都」。
実は西アフリカのベナンに、「アフリカのベネチア」と呼ばれる集落があります。
それが、水上都市ガンビエ。
今回の記事では、ガンビエの風景や歴史、行き方をご紹介します。
もくじ
「アフリカのベネチア」水上都市ガンビエを散策
ガンビエの様子
ガンビエは、陸地の船着き場からボートで30分ほどノコウェ湖を進んだ先にあります。そう、湖に浮かぶ水上都市なのです。今回私たちは、写真の真ん中に写っているイス付きのボートでガンビエへ向かいました。
湖を進んでいると、ガンビエ方面から来るボートとすれ違います。
- 湖上の町ガンビエから陸地に働きに行く人たちを乗せた、出勤ボート。
- ガンビエで獲れた魚を売るため陸地のマーケットへ向かう女性たちのボート。
水上都市だけに、ガンビエで働く人の多くは漁をしています。魚を獲るのは男性の仕事、それを市場に売りに行くのは女性の仕事。女性は炎天下の中、手漕ぎボートで片道1時間以上かけて陸地へ向かいます。
ボートに乗ること30分ほど。ガンビエに到着です。
湖上に家が建てられていて、住民の移動手段はボート。時々に水に入っている人を見かけますが、排泄物はすべて湖にダイレクトでノコウェ湖に垂れ流しと聞きました。水はきれいではなさそうです。
ガンビエの人口は、およそ2万人(Population of Ganvie in 2019 2018 - statistics)。水上でも関係なく、町として成り立っています。学校や教会、モスクなどの施設や、水上市場もあります。
こちらのボートの女性は、服を売っています。このように商品をボートに載せて町中を漕ぎ、買い手を探しているようです。
この写真では、なぜ人が集まっているのでしょう…?
実はこれ、女性たちが水を買いに来ています。ボートが列をなす先にポンプが設置されており、それぞれが持参したタンクやバケツに水を一杯まで入れ、家まで持って帰ります。私が行った時は、タンクの大きさに限らず一杯10fCFA(2円)と説明されていました。
なぜ水上に人が住んでいるのか?納得の歴史
ところで、何がきっかけで湖に人が住むようになったのでしょうか?
今から300年ほど前、ダホメー王国がこの地に栄えていた頃。王国は、国民を奴隷として売る奴隷貿易を行っていました。
国民は奴隷狩りから逃れるために湿地帯に身を隠したとか、水上での戦い方に習熟していたため住み心地の悪い湖上に逃げることに成功したとか、そのような説があります。
あるいは逆に、「長年地上で暮らしてきたけど平和は得られなかった」と感じた国民たちの声を聴き、当時のダホメー国王が鳥となって空を飛びノコウェ湖を見つけ、今度はワニとなって国民を背中に載せて今のガンビエのある一帯へ運んだという伝説もあります。それが理由で、ガンビエではワニが神聖視されているとも言われます。
これらは口承の伝説のようで真相ははっきりわかりませんが、有力な説は「奴隷狩りから逃げた国民が形成した水上都市」という説のようです。
ガンビエ散策ツアーの概要
ガンビエへの船着き場への行き方
ここからは、実際にガンビエを訪れる人向けの案内です。ガンビエ散策ツアーに参加するための船着き場は、以下の場所です。
【コトヌーから向かう場合】
水上都市ガンビエは、ベナンの経済首都コトヌーから25㎞の距離にあります。
コトヌーからアボメカラビまで北上する幹線道路を、20~30分ほど車またはバイクで北上。右手にPharmacy de lac(湖の薬局)がある交差点で、湖側へ曲がります。船着き場までの道のりには野菜や鶏を売っている市場が広がっていますが、そのまま直進すると、突き当りに船着き場があります。
ガンビエ散策ツアーの料金と時間
ガンビエ散策には、手漕ぎの船とモーターボートの2種類があります。
が、「せっかくだから手漕ぎの船に乗って、湖をのんびり眺めたい!」と思い希望を伝えると、「手漕ぎだと時間がかかるし疲れるから嫌だ」と断られたこともあります。そんなこんなで、思えば一度も手漕ぎの船でガンビエ観光したことないな…
ということで、手段はほぼ一択。モーターボートで風を切りガンビエを訪ねます!。
往復、散策含め1時間半のコースで最安値ひとり7,500fCFA(約1,500円)。ただし、交渉次第で10,000fCFA(約2,000円)になることも。幅があります。
まとめ
- 「アフリカのベネチア」ガンビエは、湖の中の町。
- 奴隷狩りから逃れた人たちが移り住んだことが起源?
- ガンビエ散策ツアーの値段は、交渉次第。