みなさんは、自分が出したゴミがどこに運ばれ、どのように処理されているかご存知ですか。「毎朝ゴミ収集車がゴミを焼却施設に持っていくのは知っているけど、どこの施設なんだろう?」とか、「ずっと燃え続ける炎の中に投げ込むんでしょ?」と、私も思っていました。
アフリカでのゴミ問題に取り組むべく、まずは日本のゴミ処理の現状を知ろう!ということで、私が住む浜松市にある、浜松市西部清掃工場に行ってきました。そのとき見たこと、聞いたことをお伝えします。
「日本のゴミ処理がどのように行われているのか簡単に知りたい」という方にこの記事が届けばいいなと思います。
もくじ
浜松市西部清掃工場の概要
浜松市西部清掃工場は、静岡県浜松市西区篠原町にある清掃工場です。燃えるゴミを燃やしたり、ゴミを処理した際のエネルギーを利用して発電もしています。
2009年に建設を終えたこちらの清掃工場では、一般の方々からのゴミの持ち込みも受け付けており、一日に450トンのゴミを処理しています。450トンというと、ゾウさんおよそ128頭分です。え、そんなにゴミ出てるの?って、ちょっとびっくりしますね。
※アジアゾウ一頭3.5トンの想定で計算しています。
ちなみに、人口80万人以上の浜松市全体で出る一日のゴミの量は611トンにも及ぶそうです。ゾウさん175頭分・・・。ぱ、パオーン。
浜松市西部清掃工場の中の様子
浜松市西部清掃工場は施設見学が可能です。
調べていて初めて知ったのですが、浜松市の立派なお出かけスポットのひとつみたいです(浜松市西部清掃工場 | 子供とお出かけ情報「いこーよ」)。環境啓発やごみの分別に関する啓発パネルなども施設内にあり、小学生が校外学習で訪れることも多々あるようです。
では、施設の自由見学を通して見た施設内の状況をお届けします。
1.ゴミ投入室
地域のゴミを集めたゴミ収集車が来るとオレンジの扉が開いて、ゴミを中に投下します。扉は8個あり、訪問したのが平日なら実際に稼働する様子を見ることができたのですが、日曜だったためゴミ収集車はいませんでした。
2.ゴミピット
オレンジの扉から投下されたゴミです。生で見ると、感動するゴミの量です。
日本では、道にゴミが散らかっていたり、家のゴミを公園に捨てたりする人はあまり見かけません。しかし、当たり前ですがゴミがあることは事実なのです。ゴミ収集システムがきちんとしているから私たちの目につかないところにゴミが運ばれているだけであって、ゴミがなくて清潔なわけではありません。
ゴミが日常から見えなくなっているから逆にたちが悪くもあり、私たちは躊躇することなく大量にモノを捨てます。私自身も日ごろの行動を見直さなければ、と思いました。
写真のゴミピットの体積は9千㎥。処理能力の5日分のゴミをためることができる容量ですが、「これだけ大きくて5日分にしかならないのか」と、ちょっと複雑な気分です。
写真上部にある二つのクレーンは2トンものゴミをひとつかみできるほどの大きさ。クレーンがゴミをゴミ投入口まで運び、ゴミ破砕機によってゴミは細かく砕かれます。その後、ゴミは1時間かけて蒸し焼きにされるのだとか。
3.中央管理室
ゴミピットのすぐ隣にある部屋で、ここでクレーンの動きだとかゴミの偏り具合だとか、工場の運転を管理しています。一人しかいないことにちょっと驚きでした。基本的には機械が自動的にやっているので、管理自体に人手はあまり必要ではないようです。また職員の方は一日2交代で、24時間常に工場は稼働しています。
4.蒸気タービン発電機
持ち込まれたゴミの流れとしては、
- ゴミ投入室からゴミピットへ投入される
- ゴミ破砕機で細かく砕かれたあと蒸し焼きにされ、ガスと炭に分解
- 1300度の熱でガスと炭を完全に燃やす
となります。
ここで、ゴミを燃やした熱で蒸気タービンを回して発電をします。発電した電気は売電したり、浜松市西部清掃工場の隣にある水泳場の温水プールに活用されているそうです(水泳場HPhttps://www.hgw.co.jp/tobio/)。