生きてればいいよ!

新卒で青年海外協力隊に参加。帰国後3ヶ月でまたベナンに戻って活動を続けている、そんな若者の生きざま。

西アフリカ、ベナンの図書館で行う文化交流活動のリアル【JICA海外協力隊】

 

JICA海外協力隊としてベナンで活動をしていた際の私のメインの活動分野は、公衆衛生でした。ですが、その他に文化交流活動も積極的に行っていました。簡単に言うと、ベナンの人々に日本の文化の紹介をすることです。

 

今回の記事では、私が文化交流活動としてどんなことを行っていたかについてご紹介します。派遣中の隊員の、日本文化紹介活動のネタになればいいなと思います。

 

もくじ

 

そもそも、日本文化を紹介する意義は何か?

私の他にも、JICA海外協力隊として派遣された隊員の多くはメインの活動とは別で文化交流活動を行っています。では、アフリカや大洋州、中南米など日本とは遠く離れた国や地域で日本の文化を紹介する意義とは、何でしょうか

 

JICAボランティア事業の概要 | JICA海外協力隊にも記載のある通り、JICA海外協力隊事業の目的の一つに、異文化社会における深化と共生というものがあります。

 

私の場合、ベナンに2年間住んでいたわけですから、ベナンで結婚式やお葬式に参列し、お祭りの日にはベナン人と一緒に祝うなどして過ごすと、ベナンの文化を知っていくわけです。

 

ですが、ベナン人からすると日本って何なのか、どんな国なのか分かりません。私がどんな文化の中で育ってきたのか想像もつきません。私たち日本人も、聞き慣れない「ベナン」という国がどんな場所かわからないのと同様です。

 

私はその意味で、自国の文化を紹介することは自分が何者なのかを伝えることだと思っています。JICAが言う「異文化理解における深化と共生」には、「日本をPRして親日家を増やそう!」のような意図があるのかもしれませんが、私は日本文化そのものを理解してもらうことが目的というよりも、私個人を知ってもらうツールとして文化交流活動を行っていました。

 

と、色々書きましたが、こんな真面目な云々を省いても、文化交流は楽しかったから続けることができました。箸の使い方を教えて、ベナンの子供たちがうまく箸で豆をつまめたときの嬉しそうな顔。それだけでやった甲斐があったと思えます。

 

 

図書館での折り紙教室、目的は図書館の活性化

私はベナンの市役所にボランティアとして勤務していました。市内には市役所の管轄の図書館があったので、文化交流活動にはそこを利用させてもらうことが多々ありました。

 

ベナンへ赴任してから4か月目には、そこで折り紙教室を始めました。ベナン暮らし1年目が終わるころあたりまで、毎週土曜日の夕方にそこで折り紙を教えていました。

 

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折り紙教室の様子

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こんなに大きい子も喜んでくれるとは思っていなかった

 

日本人の私を知ってもらうツールの一つとして文化交流活動を行ったと書きましたが、図書館でそれを行ったのには図書館の活性化という目的もありました。

 

図書館に以前ほど人が来なくなったので、また活気を呼び込むために何かアクティビティがあれば良いと司書さんが思っていたとき、私が現れたのでした。

 

私も司書さんもお互いに利用しあったわけなので良かったんですが、私は2年という決まった期間だけベナンにいる予定だったため、私がやっているアクティビティを司書さんにできれば引き継いでほしかったです。そうすれば、「図書館に人が来ない問題」はこの先もずっと一件落着だと思ったからです。

 

そのような私の考えも伝えていたので、私が司書さんに渡した図工マニュアルや日本のアニメを活用して、図工教室とジブリ映画上映会を開催してくれた時は嬉しかったです。

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司書さんが主体となって図工教室を開催。風車を作った!

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ジブリ映画を鑑賞

 

折り紙教室を含めた文化交流活動を通して私がどういう風に子供たちと関わっているかを見て、司書さんがこれらの活動を自分で続けてくれれば、彼が当初悩んでいた「図書館に活気がない」問題は解決できる、と思いませんか?私は、そう思いました。だからこそ、腰の重い司書さんを鼓舞して、彼自身でアクティビティの企画ができるようにサポートしていたつもりでした。

 

ですが、私がベナンでの2年間を終え日本に帰国した現在、彼はこの活動を続けていないそうです。

 

少し残念な気もしますが、彼にとって図書館の利用者が少ないのは、自分が重い腰を上げてまで取り組む問題ではなかったという、ただそれだけなんですね。私は私で、ベナンにいた間に日本文化紹介の場として図書館を利用させてもらっただけなので、ごちゃごちゃ口を出す立場でもありません。

 

ああ、でもやっぱり、勝手ながらもちょっと残念です。

 

掲示物からも、日本に触れてもらう

折り紙や図工教室の他に、掲示物でも色々とやらせてもらいました。図書館で取り組んだ掲示物としては、

  1. 世界の写真展
  2. 日本語紹介ポスター

 の2つです。

 

世界の写真展

世界の写真展では、世界中に散らばるJICA海外協力隊員に呼びかけてそれぞれが派遣されている国の写真を送ってもらい、それを図書館に掲示しました。これは、日本文化の紹介というより、ベナンの外に夢を抱いてほしいとの思いから取り組みました。

 

私は高校生のころに世界史の資料集を見て、インドのタージマハルや、ペルーのマチュピチュなどの世界遺産に強く惹かれました。そして大学生のころには、バイトをして貯めたお金で海外に行くということを繰り返していました。大学生の私は、高校生の私が憧れた、タージマハルにもマチュピチュにも行きました。

 

ベナンの子供たちは、がんばって働いても、私のようには海外へ行くお金が貯まらないかもしれません。それでも、ベナンの外に夢を見るということをしてほしいと私は思いました。夢を見ると、わくわくするから。それだけで、その日が楽しくなるから。

 

そういう思いで、ベナンの小さな図書館に世界中の写真を掲示して、ささいながらも世界へ開く窓を作りました。

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写真展とは名ばかりの、掲示物ですが。

 

図書館に行き、子供たちがこの写真たちを見上げて指差し、「あの写真がきれい」とか、「私はこっちの方が好き」とか言っている光景を何度か目にしました。協力してくれた世界中の隊員からの期待に応えるようなものではなかったかもしれませんが、写真について話す子供たちの姿を見ると、やった意味があったと思えるのでした。 

 

日本語紹介ポスター

また、日本語を紹介するポスターも作り、図書館に貼らせてもらいました。

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日本語、フランス語、英語で簡単な言葉を紹介しています

 

「おはよう」は簡単なので、ベナンの人たちにも覚えやすく、発音しやすい言葉の一つです。西アフリカのベナンで、「おはよう」と言われ「おはよう」と返す。やっぱり、母語で挨拶してもらえると嬉しいものです。日本人の私たちが全く想像してもいない光景だと思いますが、それもまた現実で、面白いですよね。

 

 

まとめ

  • ベナンの図書館で文化交流活動を行った。
  • 折り紙、図工アクティビティ、ジブリ映画観賞会、日本語紹介などを実施。
  • 結局、帰国後にまで続く活動にはなっていない。

 

文化交流活動を行うことは、振り返ってみれば私の心の支えにもなっていました。メインの活動がうまくいかないとき、子供たちに折り紙を教えていれば、少なくとも私がここにいる意味はゼロではないと思うことができたからです。

 

他の隊員のみなさんが、どんなふうに日本を紹介しているのかも気になるところです。