イスラム教に馴染みがない人でも、ラマダン(断食月)という言葉は聞いたことがあると思います。精神面のトレーニングのために一か月間、日が昇っている間は飲み食いをしないことで有名ですね。
断食月が終わると、イスラム教徒はみんなでお祝いし、神に感謝します。その祭りを「イードル・フィトル(断食明け大祭)」といいます。今日は、私がベナンで体験した断食明け大祭がどんなものだったか書きたいと思います。
JICA海外協力隊として私が2年間住んでいた、ベナンの都市ジュグーの人口のおよそ70%はイスラム教徒です。先の記事でも紹介した犠牲祭と並び、断食明け大祭はイスラム教の重要な二つのお祭りです。
ジュグーでの犠牲祭の様子はこちら↓
断食明け大祭の一日
さて、今年2019年のラマダン明け大祭は6月5日(水)でした。
イスラム教の行事は月の満ち欠けに依るので、その前の週末くらいまで誰に聞いてもいつなのかわからず、私は「え、お祭りって火曜日じゃないの?あれ、水曜日なの?え?え??いつ???」という感じでした。月の満ち欠けを読むテクノロジーをもつアラブの人たちのお知らせを待って、日が確定するようです。
断食明け大祭の朝は、10時からジュグーで一番大きな広場で礼拝がありました。私も礼拝の時間に合わせて広場に行きました。家の近所のキリスト教徒のおばちゃんがジュースを売りに行くというので、面白そうだからついていくことにしたのです。
この日はお祭りとあって、老若男女おしゃれしていました。特に女の子たちはばっちり化粧して、ヒール履いて、ブレスレットして、手や足にお花の絵を描いていました。
また、お祭りの日はやっぱり特別なので、子供たちも親からお小遣いをもらってお菓子やジュースを買います。日本の夏祭りできゃっきゃと遊ぶ子供と変わらないなあと思いました。
みんな10時の礼拝のために広場に集まっているはずなのに、周りが礼拝中もそこらへんをうろうろしてごはん食べてる人もいます。(笑)
礼拝を終えると、それぞれ家に帰ってごちそう作りにとりかかります。鶏を絞めるのが男性の仕事、それを料理するのが女性の仕事。遊ぶのが子供たちの仕事。
私もまずは12時頃に近所のお家で、白米、ソース、鶏肉をいただきました。
他のお家にも招待されていたのでここのお家は切り上げて、近所の別の家に挨拶に行きました。その家のおばちゃんは、断食明け大祭当日は親戚からおすそわけで食べ物をたくさんもらうので、翌日にご馳走を作ると言っていました。戦略的ですね。
夕方の別の家との約束の時間を待ちつつ、おばちゃんの家で気づいたら寝ていました。
夕方におじゃましたお家は、私が溺愛している2歳の女の子のお家です。白米ではなく、パットルージュと鶏肉を頂きました。パットルージュというのはベナンの食べ物で、トウモロコシの粉をトマトと煮込み、トウガラシや玉ねぎなどと一緒に食べます。お祭りなので、鶏肉がついていました。
ご馳走になるので何かお土産を持っていこうと思い、マンゴージュースを持っていったら私のベイビーが大喜びだったので私も大変幸せな気持ちになりました。相変わらずかわいかった。
子供たちと少し遊んでから、また別の家に向かいました。私が一緒に活動している、市役所の研修生の家です。もちろん、ここでもご飯を頂きました。
さて、そんなこんなで20時をまわっていました。
お腹いっぱいだし疲れたしで、家に帰ったらすぐに寝てしまいました。
ジュグーで過ごした、2019年の私の断食明け大祭はこんなところです。
同じ西アフリカでもセネガルではフライドポテトが出てくると聞いたので、びっくりです。その国の食文化に合った、その人のお財布事情に合ったやり方でお祝いするのでしょうね。イスラム教の素敵な考え方だと思います。