- 地域や学校での公衆衛生の啓発活動
- 市内の家庭ごみ収集システム構築のためのアイディア
私の活動の前提となっている、ジュグーでの人々のごみ捨てやトイレ事情に関しては先の記事でまとめてありますのでご参照ください。
今回は、2年間の活動の中でも目玉中の目玉を紹介します。
それが、小中学校での清掃コンクールです。
学校清掃コンクールの言い出しっぺ
ベナン滞在2年目、私はジュグー市役所の4人の研修生(日本で言う無給インターン生)とともに活動をしていました。清掃コンクールのアイディアは、そのうちの一人から出たものです。
ある日、市役所で今後研修生の彼らと私が一緒にどんなことをできるか話し合っていた時、「学校の清潔度を点数化して、ランキングにするのはどうかな。上位の学校の名前はラジオで思いっきり宣伝するとか」と、彼がぽろっと言いました。
ちょうど私もその頃、ただの啓発活動ではなくより支援対象者の人々を活動に巻き込んで主役になってもらえるアイディアを探していました。彼のアイディアに私のアイディアも混ぜたら面白くなりそうな予感がしました。
そうして学校清掃コンクールの取り組みが始まったのでした。
学校清掃コンクールの仕組み
では、支援対象の人々にどうやって主役になってもらうか、ですね。
学校清掃コンクールでは、30項目程度の学校衛生評価シートをまず研修生らに作ってもらい、その評価シートで校内の衛生状況を100点満点とすることにしました。
- 市内の小中学校を訪ねてコンクールの説明と、参加したいかの意志確認
- コンクール参加校にて初回の校内衛生評価
- 衛生評価の結果を学校側にフィードバック
- 学校側はフィードバックをもとに日ごろの掃除計画をつくり、実行
- コンクール参加校にて2度目の校内衛生評価
- 2度目の校内衛生評価の結果に基づき優秀校に景品授与、ラジオ放送
ポイントは4つ目の、「学校側はフィードバックをもとに日ごろの掃除計画をつくり、実行」のところです。衛生評価の点数を伸ばして景品を手に入れるため、校長や教員たちに自分たちで考えて計画を立ててもらいます。
計画の例としては、
- 毎週金曜日16時からトイレの清掃(責任者:クラス担任)
- 毎朝8時から教室の掃き掃除(責任者:学級委員)
やすいです。
学校清掃コンクールで何が変わったか
私が協力隊員としてベナンにいる間に2回コンクールを行い、合計で49校が参加しました。49校すべてを主役にすることはできませんでしたが、いくつかの学校のやる気を出すお手伝いができたのは事実です。
- コンクールをイニシアティブとして自らティッピータップ(手洗い装置)を設置した学校
教室前に手洗い装置を自ら設置した学校 - トイレを建設した学校
自分たちのお金でトイレを建設 - トイレを開放して定期的にトイレ掃除を行うようになった学校
閉めっぱなしだったトイレを開放 - ごみ箱を設置した学校
教室前の中庭にごみ箱を設置
そうした、主体的に動いた学校が複数あったのは掃除コンクールが意味のある活動だったということです。私個人としては、現地の人たちの変化を促しつつも自分は裏方に回れたのがとてもよかったです。
この活動が細々とでも、市役所の仕事として今後も定期的に続いていってほしいものです。