生きてればいいよ!

新卒で青年海外協力隊に参加。帰国後3ヶ月でまたベナンに戻って活動を続けている、そんな若者の生きざま。

はじめての割礼

2017年12月31日、私は割礼を初めて生で見ました

衝撃的でした。


割礼とは、男子の性器の包皮の一部を切除する風習です。


その存在を私が初めて知ったのは2017年1月。大学の卒業旅行と称して中央アジアのカザフスタンという国に行った時でした。
カザフスタンも、男子割礼の風習がある国です。

 

f:id:RicaH:20190718222144j:plain

トゥルキスタンにある世界遺産、͡コジャ アフメド ヤサウィというイマームのお墓。カザフスタン人のおよそ70%はイスラム教徒である


トゥルキスタンという町で泊まった宿のスタッフたちとおしゃべりしている時に、結婚の話になって、出産の話になって、そこから割礼の話になりました。
最初、指を切るようなジェスチャーをしたので何を言っているのかわからなかったけれど、割礼の話でした。男の子は5歳になったら割礼をする、と言っていました。イスラム教の風習だ、とも。

 

人生で初めて生で見た、割礼

さて、2017年12月31日の朝のこと。

ベナン人の仲の良い家族に挨拶をしに行こうと思って家に行くと、何やら男の子が絶叫し、周りに子供たちが群がっていました。男の子の左側にはもがく彼を押さえつけるお母さん、右側には剃刀をもった彼の親戚のおばさんそして、男の子の股間は血で赤い。

f:id:RicaH:20190718155020j:plain

普段から私を「りかさん、りかさん」と呼んで慕ってくれていた子だけに、泣き叫ぶのを見るのは辛かった

私が2年間を過ごしたベナン北部の都市ジュグーでは、男の子が7歳になるのを待って割礼をするらしく、その日は写真の男の子だけではなく10人の子たちが対象となっていると聞きました。

 

割礼は一生に一度で、ジュグーでは女子割礼はもう行われていないそう。また、この友達家族の人は割礼に宗教は関係しないと言っていました。


ジュグーがあるドンガ県より北へ車で1時間行ったところのアタコラ県では、30歳になってから男性が割礼をする地域もあるというとのこと。


割礼の話はカザフスタンで聞いたことはあったけれど、その現場に居合わせ、目の前でそれを見ていると、子どもの叫び声に目をそむけたくなりました。みんな泣き叫んで、全力で抵抗していました。抵抗するも腕をつかまれ、子どもたちは連行されていきました。


家に帰って割礼について調べてみると、旧約聖書に割礼に関する記述があるため、イスラム教圏だけでなくキリスト教圏でも行われていて、アメリカや韓国でも割礼を行うそうです。知らなかった。


児童虐待という観点から国際社会では反対の声もあるとのことですが、割礼を慣習の一つとして行う当の本人たちにそんな意識はなさそうで、男ならだれもが経験して当然との認識の様子でした。

 

「日本では病院で割礼をするからこんなに痛くないんじゃない?」と聞かれ、「日本では割礼しないよ」と言っても信じてもらえなかったです。というか、「女だから知らないだけだ」「世間知らず!」と言われました。(笑)

 

身体を傷つけることで勇気を示す意味もある?

また、ベナンでは、女性は原則ピアスの穴を開けなければなりません。今回の記事に書いたように、男性は割礼を経験しなければなりません。


ベナンでは男女関わらず、民族や家系によって幼い頃に顔にナイフで傷跡をつける風習もあります。目尻の横に3つの傷があったり、左右の頬にひとつずつ縦に傷があったり、北部では特に顔全体に網を這わせたような細かい傷を無数につけたり。私が住んでいたジュグーの王家の目印は、耳の上から頬いっぱいにつける3本の太い傷です。

f:id:RicaH:20190718163022j:plain

ベナン北部のオタマリ族という民族の顔の傷跡。幼いころに、ナイフでつけるのが一般的


ベナンでは、何かにビビっていると笑われます。「何、あんた怖いの?」と聞かれます。

特に男性の場合は男らしい強さがアピールポイントで、男女問わず身体を傷つけることや痛みを恐れない勇敢さがあって初めて社会に認められるんじゃないかとも感じるのでした。

 

 

【おまけ】
『デザート・フラワー』という映画をご存知ですか。小さい頃に女子割礼を経験した、ソマリア出身のスーパーモデルの話です。
ロンドンで出会った彼女の友人マリリンとの身体の違いに、割礼が普通のものではないことを知ったワリス。「女の子として生きるってこういうことじゃないの...?」と自分の過去、そして今も残る痛みに困惑する彼女の姿がとても印象的です。