生きてればいいよ!

新卒で青年海外協力隊に参加。帰国後3ヶ月でまたベナンに戻って活動を続けている、そんな若者の生きざま。

ベナンで正しい手洗いを教えるために工夫したこと3つ

こんにちは。Ricaです。

 

JICA海外協力隊としてベナンに派遣されていた際、ベナン人の同僚と子供たちに対して手洗い指導をしていました。今回は、子どもたちに正しい手洗いを教えるためにした3つの工夫について紹介します。

 

そもそもベナン人の手洗い事情は?

ベナン人」とひとくくりにするのは難しいのですが、私のまわりにいた人たちの一般的な手洗い事情を少し。

 

日本で教わる、「手洗いをしないといけないタイミング」っていつでしょうか。

  • 家に帰ったとき
  • 食事の前
  • 料理の前
  • トイレのあと
  • くしゃみを手で受け止めた後

こんなところですかね。

 

ちなみにベナンに行って手洗い指導をしていた私ですが、ベナンに行く前、日本にいたときは私自身、手洗い含めとても衛生意識の低い人間でした。

 

ベナンでは、(人にも料理にもよりますが)基本的に右手で食べます。

ですので、特に食事前、食事後の手洗いはきちんと多くの人が「しなきゃ」と思っています。日本人は手で食事しないので、食事後の手洗いはしませんよね。面白い違いです。

 

ただし、手を洗いはするんだけど石鹸や洗剤なしで、流水ではなくボウルの中の水で洗ったり、食事に使った右手だけ濡らして片手をもむように汚れを落とそうとしたり。

石鹸や洗剤を用いて両手でしっかり洗わないと、見えない汚れは落ちません。

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食器洗い用のボウルに手を突っ込んで右手を濡らす生徒

 

トイレのあとはどうでしょうか。

日本に帰ってきてから「便利だ」と実感するのは、トイレとセットで必ずきれいな洗面台がついていることです。

ベナンの公衆トイレや学校のトイレにも、手洗い用に水を貯める装置がついているものもありますが、あまり多くないように思います。

 

また、村などではもともとトイレットペーパーを使う習慣がないベナンでは、トイレの横に置いてある水は、いわば「自分の手でするウォシュレット用」であって手洗いのためのものではありません(特にイスラム教徒は排泄後の下半身の洗浄が必須となっている)。その証拠に、必ずと言っていいほど石鹸とセットで置いてありません。

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ある公衆トイレの隣りに水がめが置いてあったが、手洗い用というよりは用を足した後にすすぐ用の水。

 

日本では蛇口をひねれば水が簡単に手に入りますが、上水道すら一般家庭に普及していないジュグーでは水を井戸から汲んだり、公共のポンプにまで汲みに行ったりしなければならず、水を手に入れるために時間と労力がかかります。

そのために水は生活の中で節約され、しょせん目に見えないばい菌を落とすための手洗いの重要性はあまり理解されていないように感じます。

 

 

手洗い講習で工夫したこと3つ

1.ティッピータップも一緒に普及する

ティッピータップとは、木の棒や空き容器で作る簡易的な手洗い装置のことで、手洗い講習をする協力隊員は活動の一環で、この装置の普及を同時に行うケースが多いかもしれません。

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ティッピータップで手を洗う児童

こちらは同じベナンの先輩隊員の方のブログ。ティッピータップの説明が書いてあります。

world-diary.jica.go.jp

 

手洗い講習で手の正しい洗い方を教わったところで、覚えているうちに実践してみなければすぐに忘れますね。教わったらすぐに、「わかる」を「できる」に変える必要があります。

 

ベナンの小学校には上水道は通っておらず、各教室の前に手洗いのためのプラスチック容器が置いてあるくらいです。衛生への校長の関心が低ければ、それすらない学校もあります。

初めてティッピータップを見る子供たちなら、ティッピータップを使って遊び感覚で手を洗うことができます。

 

 

2.コットンを利用して手の汚れを可視化する

ベナンに行く前は私自身も衛生意識はとても低かったと上に書きましたが、必要な時に手を洗わないのは、ばい菌は目に見えないから、病気にならないために手を洗えと言われても説得力に欠けると思っていたからです。

 

そのため、いやでも手洗いを促すために手の汚れを可視化することにしました。

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言わずもがな、左が手を洗う前、右が洗った後の手の汚れ

子どもの手を少しだけ濡らし、石鹸での手洗いの前に手のひらや手の甲をコットンでこすります。まあ汚い汚い。キミたち、これを口に入れてるんだよ。

 

子どもが手を洗った後にももう一度、コットンでこすります。

一目瞭然、きれいな手でごはん食べたいよねと誰もが納得します。

 

 

3.手洗い歌を歌う

そして最後に、手洗いの歌を作って、手を洗わなければいけないタイミングと手を洗わないといけない理由を簡単に覚えておけるようにしました。

踊るのが大好きなベナン人にウケる、踊れるリズムになっています。

 

歌詞は以下の通り。

(オリジナルフランス語版)

Avant de manger, je me lave les mains

Après le mangé, je me lave les mains

Après les toilettes, je me lave les mains

Pour éviter la maladie, la maladie, la maladie

Je ne veux pas la maladie, la maladie, la maladie!

Tu ne veux pas la maladie, la maladie, la maladie!

On ne veut pas la maladie, la maladie, la maladie!

 

(日本語訳)

食事の前に、私は手を洗う

食事の後に、私は手を洗う

トイレの後に、私は手を洗う

病気にならないために

私は病気になりたくない!

君も病気になりたくない!

みんな病気になりたくない!

 

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手洗いの歌を歌いながら正しい手洗いのステップをジェスチャーで確認する私の同僚

実はこの歌は私のベナン人の同僚が作詞・作曲したもので、私自身も何度か手洗い歌を作ろうと思ったのですが音楽のセンスがなさ過ぎて諦めましたが(笑)、

ある日職場に行くと恥ずかしそうに「手洗いの歌作ったんだけど聞いてくれる?」と言ってきた彼のやる気に心を打たれました。あとちょっとかわいかった。

 

 

以上、私が活動の一つとして行った手洗い講習の具体的なテクニックについて書きました。衛生分野でこれから派遣される隊員の参考になればいいなと思います。