生きてればいいよ!

新卒で青年海外協力隊に参加。帰国後3ヶ月でまたベナンに戻って活動を続けている、そんな若者の生きざま。

西アフリカ、ベナンのごみ&トイレ事情をご紹介!さあ、あなたなら何をする?

 

JICA海外協力隊として派遣される人にはそれぞれ、要請内容というものがあります。途上国側が「隊員にはこうした活動をしてほしい」と考えている内容です。

 

私の要請内容は、主に以下の2点でした。

  1. 学校や地域における衛生に関する啓発活動
  2. ごみ収集システム構築のためのアイディアの提案

 

今回の記事では、私の要請内容の背景にある、西アフリカ・ベナンでのごみとトイレにまつわる衛生事情をご紹介します。

 

途上国の廃棄物管理や公衆衛生に関心のある人に届いてほしい。そんな記事です。

 

もくじ

 

ベナンでの、ごみにまつわる事情

1.ごみのポイ捨て

ごみのポイ捨てが日常です。果物の皮や生ごみなら自然に還るし、道を歩いている山羊が食べるので問題なのでしょうが、ビニール袋もポイ捨てします。

 

その結果、ごみが側溝を詰まらせ雨季には水がたまる原因になります


水が溜まって蚊の繁殖を促すだけではなく、雨水でごみが側溝から溢れかえって道路上にまでごみが及びます。

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家庭や路上にごみ箱がなく、それゆえにごみをごみ箱に捨てる習慣がありません。

 

2.市内のごみ収集

家庭ゴミの収集は、市役所がたまに行うほか、市役所から業務委託を受けたローカルの2つのNGOが行っています。

 

市役所のゴミ収集

市役所が「たまに」家庭ごみ収集するタイミングはいつなんでしょう?(笑)

 

例えば、毎年12月に行われるジュグー王家のお祭りの直前。お祭りの日には王様が町中を歩くので、王様に失礼のないよう地域のごみを片付けておくとか…

 

市役所による家庭ごみ収集は、大きなトラックで町を回って行います。自分のごみを住民自身が手や服を汚しながら持ち上げて、トラックの上のごみ収集員に渡します。

 

一つ一つ時間がかかる上に重労働で、とても効率が悪いです。

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「日常業務としてごみを収集したほうがいいんじゃない?」と進言しましたが、「トラックを頻繁に動かすためのガソリン代がない」とのことでした。財源不足で身動きが取れない

 

NGOのごみ収集

遡ること2011年。ジュグー市役所が公衆衛生、特にごみ管理に力を入れようと腰を上げた時、家庭ごみ収集を担う10のNGOを設立したそうです。

 

ところが、

  • ごみ収集員として働きたい人手が無い
  • 住民がきちんとお金を払わない
などの理由から多くが経営難に陥り、2019年7月現在でごみ収集をするNGOは2つだけに。現状の収集規模では、市内の家庭をカバーしきれていないのは明らかです。


NGOによる家庭ごみ収集は三輪車で行われ、収集したごみは町の近郊にあるいくつかのごみ集積場まで運ばれ、放置されます。

 

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ごみ集積場のごみは土地の持ち主が燃やし、その灰だらけの土地でトウモロコシを栽培すると聞いたことがあります。分別もされていないごみたちが肥料になり得るのでしょうか??

 

3.郊外でのオープンダンピング

市役所やNGOが収集したごみは町の外れのダンピングサイト(ごみ集積場)運ばれます

 

オープンダンピングとは:

単に地面にゴミを積み降ろして投棄するだけの状態であり,ごみの搬入が管理されておらず,処分場(投棄地)の境界が明確でなく,無秩序に積み下ろされるだけなので非効率でごみが散逸する。

 

(引用 http://www.kiess.org/mailnews_1010_kusube/

 

要するに、空き地にごみを集めて放置する、ということです。先進国のように焼却施設を建設する財源もないので、ごみを集めはするものの、ただ放置するだけ。

 

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ダンピングサイト

 

ごみ収集のシステム自体が十分に機能していないのですが、収集規模を拡大したら次はウェイストピッカーが現れて、さらに問題が複雑化しそうな気もします。

 

ウェイストピッカーとは、ごみの中から価値のあるものを拾って売ることで生計を立てている人のことです。現状、ダンピングサイトでものを探す子供をちらほら見かけますが、数はあまり多くないという印象です。

 

 

ベナンでの、トイレにまつわる事情

1.日常的な野外排泄

ベナンに着いたばかりの頃、立ちション人口の多さに驚いたのを今でも覚えています。

 

町を歩けば、立ちション男性は1分に1人は見かけます。そして、立ちション女性もいます。初めて見た時は衝撃でした…

さすがに外で大のほうをしている大人は見たことないですが、外で大をしている最中の子どもたちには何度も遭遇しました。外国人は珍しいので、排せつしながらもこっちを見つめてくるんですよね。手を振ると、振り返してくれる子もいます。かわいいですね。

道路の側溝に向かって、あるいはごみだまりで小をする子供たちも(大人たちも)日常的に見かけます。

 

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ただ、これは立派な野外排泄です。

 

小はまだしも、大はトイレでしなければよろしくありません。ヒトの便が誰かの手や足やハエを媒介してゆくゆくは誰かの体内に入ることで病気になることがあります

 

2.トイレがないわけではない

「もしかして、トイレないの?」と思いましたか?

日本では至る所にきれいなトイレを備えたコンビニがありますが、たしかに、ベナンではこうもいきません。トイレのない家庭も多くあります。

でも、野外排泄をする人全員が、家にトイレがないから外で仕方なくしているわけではありません。私の配属先の市役所で働く50歳くらいのおじさん曰く、「外でする開放感は最高」とのことです。

公衆トイレもありますが、地元民はなかなかお金を払ってまでトイレで用を足しません。また、学校にもトイレはありますが、たいていは常に鍵がかけられています。

 

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公衆トイレ


トイレがない家や学校があるのはたしかに問題ですが、外部者が善意でトイレを建てたところで使われないのでは、意味がありません。「トイレないとこんなに問題だよ!」っていうのを伝えないと、野外排泄撲滅はむずかしいだろうなぁ。

 

3.トイレで盗難事件も

最後に、トイレでの盗難事件にふれます。

 

「トイレで何を盗むの…?」と思いますよね。便器や扉が盗まれます

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石の便座が盗まれる


そして驚くべきことに、トイレでの盗難被害にあった学校の校長たちは、夜の間に住民が盗っていったんだと言っていました。

トイレの普及とトイレ使用の定着の問題に取り組む際、公共物を盗むことへの意識変化まで考えないといけないんです!!


以上、トイレにまつわる事情の紹介でした。

 

ちなみに、途上国のトイレ事情やトイレ・衛生分野での取り組みに関しては、こちらの本がおすすめです!フィールドワーカーや教授など、その道の経験者たちがトイレについて語っています。

 

 

まとめ

  • ごみのポイ捨てが日常的。
  • 家庭ごみ収集は全家庭では行われていない。
  • トイレがあるのに野外排泄をする。
  • トイレすら盗難被害にあう。

 

あなたがここに協力隊として派遣されて、「衛生状況の改善をしてくれ」と言われたら、まず何から手を付け始めますか?

 

「正解のない国際協力の世界」とはよく言ったもので、トライアンドエラーの繰り返しで少しずつ前に進んでいくしかありませんね。

 

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